静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症)

静脈血栓塞栓症は、深部静脈血栓症と肺血栓塞栓症にわけられます。

 下肢静脈瘤とはちがう病態です。

深部静脈血栓症は、下肢でおきることが多く、主にふくらはぎや太ももの静脈に血のかたまり(血栓)ができて血管がつまって起きる病気です。

肺血栓塞栓症とは、深部静脈でできた血栓が血流にのって肺の血管に運ばれ、肺動脈が詰まることでおきる病気です。

 

深部静脈血栓症

【症状】

下肢のはれや痛み、皮膚の赤みやむくみ、表面の静脈の拡張などがみられます。

軽度の場合は、炎症がほとんど起きず、痛みや皮膚の発赤もごくわずかで、約半数は無症状です。

太い静脈の血流が血栓で遮断されるとふくらはぎが腫れ、痛み、圧痛、熱感などの症状が現れます。

 

【原因】

静脈(血管内壁)の傷、手術、転倒やけが、炎症、ある種の薬品は、静脈への傷害を引き起こすリスクを高めます。

安静(動かないこと):下肢の静脈血は下肢を動かすことで心臓に向かって流れていきます。下肢を長時間動かさないと血流が遅くなり血栓ができ易くなります。長時間の飛行機移動や車内泊などで起きることがあります。手術後や病気で長い間寝ている間にできることもあります。

血液の異常:多血症や血小板増多症のほか、血液を固める因子の異常なども関連します。

薬物:妊娠コントロールピルやホルモン療法はリスクを高めます。その他抗がん剤などもリスクとして知られています。

体調や生活習慣: 妊娠、加齢、がん、心不全、肥満、腎不全、喫煙なども血栓のできるリスクです。

 

【治療】

まずは、抗凝固薬(血液サラサラの薬)を使って血栓の延長および拡大を防ぎます。

治療せずに放置すると、10人のうち6人は、血栓後症候群を発症し、慢性の痛み、腫れ、皮膚の色素沈着などが現れます。

そして治療で最も重要なことは、重篤な合併症である肺塞栓症を防ぐことです。

 

【予防】

深部静脈血栓症のリスクを完全になくすことはできませんが、軽減する方法はいくつかあります。

  • 長時間同じ姿勢(車中等で窮屈な)でいないようにする
  • 足の運動をする
  • 足や足の指をこまめに動かす
  • 30分に1度は、かかとの上下運動(20-30回)や足の曲げ伸ばしをする。
  • 歩く(3-5分程度・移動中なら機内や電車内を)
  • 適度に水分を取る
  • 時々深呼吸をする

【弾性ストッキング】

弾性ストッキングを着用し下肢を圧迫すると静脈がわずかに狭くなって血流が速まり、結果的に血栓が形成されにくくなります。

しかし、十分に予防することはできません。

また、正しく着用しなければ、病気を悪化させる可能性がありますので、注意してください。

不明な点は、医療機関にお問合せください。