ノロ感染症・感染性胃腸炎

食中毒は夏だけではありません。

気温の高い時期に起きる細菌性の胃腸炎(食あたり)以外にも、いつでもウイルスによる食中毒がおきています。

 

ノロウィルス感染症について

ノロウィルスによる食中毒の発生は、11月~2月にかけて多くみられます。

感染力が強く、少量(10~100個)のウィルスでも発症すると言われています。

原因別の年間食中毒患者数でみるとノロウィルスが第1位です。

また、1食中毒あたりの発生患者数は、一般の食中毒が13.7人平均ですが、ノロウィルスによる食中毒は36.8人と大規模になりやすいのが特徴です。

 

感染経路

<食品からの感染>

感染した人が調理などして汚染された食品ウィルスの蓄積した、加熱不十分な二枚貝など

<人からの感染>

患者のふん便やおう吐物からの二次感染家庭や施設内での飛沫などによる感染

 

症状

<潜伏期間>

感染から発症まで24~48時間

<主な症状>

吐き気、おう吐、下痢、腹痛、微熱が1~3日続く後遺症は残りません。

感染しても症状がない場合や、軽い風邪症状のこともあります乳幼児や高齢者は、おう吐物を吸い込むことによる肺炎や窒息にも注意が必要です。

ときに、頭痛、筋肉痛を伴うことがあります。

頻回の下痢症状を呈し、吐き気とおう吐で水分を摂れず、脱水症状になることもあり、入院と点滴などの処置が必要となることがあります。

症状が治まってもウイルスの排泄はしばらく続きます。

 

家族がノロウィルスに感染したら

<基本は手洗い>

石鹸と流水で丁寧に広い範囲であらってください。手洗いに使用するタオルは共用せず、個人ごとの専用にするか、ペーパータオルの使用でもよいでしょう。

<下痢している人がお風呂に入るときは>

下痢をしている人の入浴は一番最後として、風呂のお湯につかる前にはお尻を良く洗います。

風呂の水は毎日入れ替えて、浴槽、洗い場、洗面器、いす等を清潔に掃除してください。

タオルやバスタオルは共用しません。

 

消毒とかないの? と、気になる人は…

汚染した衣服やタオルを安全に洗いたいとき衣服をビニール袋にいれ、85℃のお湯で1分以上の熱湯消毒をするか、次亜塩素系消毒液(作成手順は下段)に30~60分間浸してください。

その後、他のものと分けて洗濯してください。

調理器具や食器、ドアノブや便座などが気になる人調理器具、シンク、ふきん等は、熱湯で消毒(85℃で1分間以上)、または0.02%次亜塩素酸ナトリウム液で消毒してください。

ドアノブや便器なども0.02%次亜塩素酸ナトリウム液でふきあげます。

金属腐食性がありますので、金属に使用する時は消毒後十分に水で拭きとりをしてください。

 

予防の基本は手洗い

手を洗うタイミングは、何かをする前後トイレに行った後はもちろん!、調理の前や次の調理に移る時、料理盛り付けの前にも、手を洗いましょう。

拭き上げは、スイッチ、ドアノブ、新聞、リモコン…手で触る場所を重点的に吹いてください。

手洗いの際は、小まめに、そして汚れが残りやすいところに注意して下さい。特に、指先、指の間、爪の間、親指まわり、手首など丁寧に洗いましょう。