下肢静脈瘤

下肢静脈瘤は、足の浅いところにある静脈が拡張し、コブのように膨れたり、細かい網目状になったり、色素沈着を起こしたりする病気です。

足がだるいまま仕事や家事をするのはつらいことです。

ボコボコしたふくらみに悩んでいる人もいます。

当院では、下肢静脈瘤の診察や治療方針の相談を受けています。

治療をご希望のときは、治療施設へご紹介をしております。

【原因】

足の静脈血は、心臓に向かって低いところから高いところに流れていく必要があります。

その際、足のふくらはぎの筋肉の収縮がポンプの作用をして血液を上に押し上げます。

ゆっくりとした流れですので、足を休めた時にまた下向きに逆流しないように静脈には「弁」が付いています。

立ち仕事や出産など様々な要因がありますが、圧が長い時間かかることでこの静脈弁が壊れると、血液が逆流し停滞しします。

すると静脈は拡張して、さらに弁は機能しなくなります。

【症状】

1.足の血管がボコボコ、クネクネと浮き出ている
2.足がだるい、疲れやすい、重い
3.足がむくむ、張る
4.足がつる、つっぱる
5.夜や朝にこむら返りで目が覚める
6.足がほてる、熱感がある
7.足がかゆい、ピリピリする
8.皮膚に色がついている
9.傷がなおらない、皮膚潰瘍がある 

◎だるさやむくみは、午後から夕方にかけて強くなってくることが多い。

◎足の「つり・こむらがえり」は、寝ているときや朝方にもおきることが多い。

◎静脈瘤の部分が急に痛くなるときは、血栓性静脈炎かもしれません。

【種類】

血管の太さでの分類があります。

1.伏在静脈瘤:大伏在静脈、小伏在静脈など比較的大きな静脈の瘤
2.側枝静脈瘤:太めの分枝にできた静脈瘤
3.網目状静脈瘤:細い皮静脈が拡張した静脈瘤
4.クモの巣状静脈瘤:ごく細い血管が拡張したもの

◎はっきりした静脈瘤がなくても、足のだるさやこむら返り、もやもやした血管の拡張や色素沈着が、静脈弁不全と逆流の症状であり、治療対象となることもあります。

【診断・検査】

診断は、問診と症状の経過、下肢の所見でおおむねわかります。

表面から見えない静脈の走行や逆流の程度などは、超音波検査やCTで評価します。

手術適応は、手術計画とともに専門の先生に判断していただきます。

【治療】

治療には、保存療法と手術での治療があります。

当院が連携している病院を例に説明します。

保存療法(下肢圧迫療法)

医療用の弾性ストッキングや弾性包帯で下肢を締め、足に適度な圧力を与えることで下肢に余分な血液が溜まらせないようにして、下肢の深部にある静脈本幹(深部静脈)への流れを促します。

この圧迫療法で下肢静脈瘤が治るわけではありませんが、下肢静脈瘤の治療上とても重要です。

 血管内治療(レーザー治療、ラジオ波治療)

治療用の細いカテーテルを静脈の中に入れ、血管内から焼灼して血管を閉塞させます。

治療する血管の状態で、レーザー波かラジオ波を選択します。

麻酔は、局所麻酔と希望により手術中は眠れるように麻酔科が立ち合い鎮静剤を使用します。

傷は、カテーテルを穿刺する針の穴だけで済み、日帰りでも1泊2日でも手術は可能です。

瘤切除術

レーザーで静脈を焼いてつぶした後に、表面に残った瘤を切って取り除く手術です。

硬化療法

下肢の静脈瘤に薬を注射して固める治療です。

固めた静脈瘤は、半年ほどで吸収されます。

ストリッピング手術

以前は一般に行われていた手術です。

足の付け根と膝の内側の2ケ所を切って、静脈内に細いワイヤーを入れて静脈を抜きとる手術で、入院が必要です。

【治療施設への紹介】

紹介の実績があるのは、小郡市の嶋田病院です。

当院を受診されたその日に、嶋田病院 血管外科外来の予約をとることができます。

静脈瘤の状態や生活の困っていること、治療方針など話し合ってもらいます。

手術前検査と説明は、初診日含めて1-2日で行われます。

手術治療は、日帰り(翌日診察が必要)と1泊2日のどちらかで可能です。

佐賀にもレーザー治療を行っている医療機関がありますので、ご希望のときはご紹介いたします。

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