新型コロナウイルス感染症の診断と治療

更新:2021年10月9日

 【新型コロナを疑う人】

発熱または呼吸器症状等があり、COVID-19を疑う人には検査をします。

症状がなくても濃厚接触者(場合によっては接触者)に指定された場合は、行政検査がなされます。

【検査と診断】

Ⅰ 核酸検出検査

① rt-PCR(リアルタイム核酸増幅法):特定の遺伝子を増幅させる方法です。ウイルスのコピー数の比較や推移が推定できるため信頼性が高いとされます。

② LMP、TMA法等の等温核酸増幅法:簡便な機器でできる方法です。rt-PCRと比べると感度は落ちますが、反応時間は30分~1時間と短く利便性があります。反応でおきる濁度や蛍光強度を測定する器機では、偽陽性が含まれる可能性があります。

Ⅱ 抗原検査(ウイルスの蛋白を検出する方法)

① 抗原定性検査:迅速簡易キットがあり15-30分で判定できます。発症~9日目の症状のある人の診断に用いられます。核酸増幅法に比べると感度は低く偽陰性が多くなり、偽陽性の問題も言われています。また、診断用として承認の得られていないキット(精度管理がされていない商品)の販売も問題視されています。

② 抗原定量検査:抗原量を定量的に測定でき、特異度も高いとされます。

Ⅲ 血清診断

ウイルスに対する抗体を検出する方法です。

日本で診断用として承認されたものはありません。

新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第5.3版)より

 【治療】

新型コロナウイルス感染症の治療は、重症度でマネジメントが変わってきます。厳密なものではなく、その時の状態や年齢、経過、併存疾患などで療養場所や治療は判断されます。

軽症:SpO2≧96%、呼吸困難なし、画像で肺炎所見なし

多くは自然に軽快します。

重症化リスク因子のある人は、入院(もしくは療養観察施設)の対象になりますし、中和抗体療法(ロナプリーブ、ソトロビマブ)が可能です。

中等症Ⅰ:93%<SpO2<96%、肺炎所見あり

かならずしも酸素投与までは必要ありませんが、病状悪化の可能性がある方たちで、入院の対象になります。

中和抗体療法(ロナプリーブ、ソトロビマブ)の使用や、抗ウイルス薬(レムデシビル)の使用が検討されます。

酸素が必要ない段階では、ステロイドは使用すべきではないとされています。

中等症Ⅱ:SpO2≦93%、酸素投与が必要

抗ウイルス薬(レムデシビル)、炎症を調整する薬剤(ステロイド、バリシチニブ)が使われ、血栓を予防する薬(ヘパリン)の使用を検討されます。

重症:人工呼吸器管理が必要な重症肺障害

人工呼吸器、体外式膜型人工肺など使用し、集中治療が必要な状態です。

新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第5.3版)より