更新:2023年4月26日
2019年12月中国湖北省武漢市中心に発生したSARS-CoV-2による感染症のことを、COVID-19といいます。
【ウイルスについて】
原因のウイルスの名称には、SARS-CoV-2が用いられます。
コロナウイルスには、風邪ウイルスが4種類、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)がありました。
2019年12月にSARS-CoV-2による感染流行があり、現在もつづいています。
【感染経路】
飛沫感染:感染者の会話、咳、くしゃみなどで放出された様々な大きさや性状の粒子にはウイルスが含まれており、感染性を保ったウイルスを含んだ飛沫をほかの人が口や鼻から吸い込んだり、目に付着することで感染します。
接触感染:ウイルスで汚染されたものに触ると、その手にウイルスが付着します。それをそのままで口や鼻や目などの粘膜をさわることで感染がおきます。
空気感染:ウイルス単体(飛沫核)による感染(=空気感染)はしません。
エアロゾル感染:咳やくしゃみ、会話や歌、呼吸などの際に、鼻や口から様々な大きさや性状の粒子が出てきます。ごく小さな粒子や乾燥した粒子は、空中に数分~場合によっては数時間浮遊します。これらの粒子のことをエアロゾルと呼んでおり、明確な定義はありません。コロナウイルスは乾燥した状態では感染性が失われるため、空気感染はありません。水分がが残った粒子が多量に空中に漂っている場合、感染が成立する場合があります。
感染力:初期には一人の感染者から2-3人に移す程度の感染力と考えられていました。変異株であるデルタ株では、その2-3倍(5-9人)と言われています。現在主流のオミクロン株はさらに感染力が高まっています。しかし今まで通りの感染予防策を確実に行うことで、感染は予防できます。
【症状】
潜伏期間(感染から発症まで):現在主流のオミクロン株では約2.9日(2-3日)で、ほとんどの方が7日以内に発症します。従来株は平均約5日間、デルタ株は3-4日でした。
症状:倦怠感、咳、咽頭痛、発熱、頭痛、鼻水鼻づまり、筋肉痛・関節痛、嗅覚味覚障害や下痢がみられます。
新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第5.3版)より
【経過】
無症状者:感染者の全員が発症するわけではなく、無症状で経過する人もいます。
軽症者:症状がでているものの、血液中の酸素濃度が保たれている(経皮的動脈血酸素飽和度/SpO2≧96%)の人たちで、現在は大部分の方が軽症ですんでいます。
進行すると、画像で肺炎が認められたり(中等症Ⅰ)、酸素の取り込みが落ちたり(中等症Ⅱ)します。
従来は1週間前後で状態が悪くなる人が多かったのですが、現状では3-5日で悪化することが多くなっています。ワクチン接種が進み国民の半数以上が既感染者となった現在は重症化する方はまれですが、中には急激な悪化する人たちもいます。
高齢者やもともとお体に不調があるかたなどは、残念ながら回復せずにお亡くなりになる方もいます。
新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第5.3版)より
ワクチン普及前で全年代、デルタ株以前での経過
【重症化リスク因子】
高齢者、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、2型糖尿病、慢性腎臓病、高血圧、肥満(BMI30以上)、脂質異常症、喫煙、がん(悪性腫瘍)、免疫不全(移植後免疫抑制状態)、妊娠後期、ワクチン未接種などの方は、新型コロナウイルスに感染した場合による重症化するリスクがあります。
新型コロナウイルス感染症
診療の手引き(第8.0版)より
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